新着情報
2023.12.29
関東信越税理士会 新潟支部では、支部ホームページを通じ、一人でも多くの方に税理士という職業に興味を持っていただき、魅力を知っていただくために、新潟支部で活躍している会員のインタビューを掲載しています。
なぜ税理士になったのか?
税理士として、どんな働き方をしている?
税理士の仕事のどこが好き?
税理士の仕事を続けていくためには、どんなことを大事にしている?
そんな質問をぶつけつつ、税理士という職業の魅力について、色々語ってもらうという企画を、複数回に渡ってお届けする予定です。多様性の大事さが叫ばれる今、こちらのインタビューも、年齢や性別・働き方など、なるべく幅広いところから話を聞いていきたいと思っています。
第4回目は、新潟市内の税理士法人に勤務する、H会員です!
――税理士になったきっかけを教えてください。
理由はないんです。いきなり後ろ向きな発言で、なんですけど……大学3年生になると、いわゆる「就活」を始めますよね。そのとき私、全くやりたいことがなかったんです。たまたま自分が経済学部だったので、普通に民間の会社に就職するよりは、何かのプロフェッショナルになるという道に方向を変えたほうが良いかなと思って、半ば就活から逃げるように、税理士の道を選んだんです。ただ、あとから考えれば、普通に民間の会社に就職するよりも難儀な道を選んでしまったなと思っていますが(笑)。税理士試験の勉強は、大学4年生のときに始めました。大学を卒業してからは、就職せず、大原簿記の社会人コースに通いました。そこで1~2年専念してから、今の勤務先にアルバイトとして就職しました。フルタイム勤務ではなく、そのときどきで、午後だけとか、9時~3時とか。ある程度勉強の時間は融通してもらえたので、アルバイトで税務をかじりながら、勉強を続けました。入社してから3年くらい経った頃、そろそろ年齢的にもアルバイトはきついんじゃないかと思うようになりました。そのとき受験していたのが既に最終科目(5科目目)だったので、今回の試験に受かっても落ちても正社員にしてくださいと勤務先にお願いしました。なんとその年に、最終科目に合格したんですね。なので、そこからは正社員になりました。
――ということは、今もその勤務先にお勤めされているのですね?お仕事はハードですか?
はい、アルバイト期間を入れると12年になります。別の事務所に行きたいと思ったことはないですね。独立するのは自分には向いていないと思うし。雇用されるかたちで働くのが、一番自分としてはやりやすいと思っています。これからもずっと今のところにいたいですし、何か大きな生活環境の変化がなければ、今の生活を続けたいです。私の今の仕事がハードかと言われると、よく分かりません。私は他の事務所で働いたことがないので、外の世界が分からないんです。でも、基本的には8時前には帰っていますし、早く帰れるときは定時で帰れています。昔と比べれば今はノー残業デーなどありますし。
――税理士として、具体的に普段どのようなお仕事をされているのか、教えてください。
私は、ほぼ相続税専門でやっています。一応、相続のチームリーダーの立場です。
相続税をやりたいと自分から手をあげた訳ではないんです。最後に合格した5科目が相続税法だったこともあり、だったら相続チームに入ったらと言われて、アルバイトの頃から相続チームにいました。当時の上司が退職していって、気付いたら自分がトップに立っていました。最初は別の部署に行きたいと思ったこともありました。やっぱり税理士は、経営者とお会いしてなんぼという気持ちもありましたし。法人税とかが分かって当たり前だと思っていましたので、それをかじっていない負い目がありました。その負い目は今でもあります。でも、ずっと相続税一本で何年もやっていると、今更別の道に行くのは少し怖いですね(笑)。昔は一般的な税理士像、つまりなんでもオールマイティにこなせる税理士になりたいと思っていましたが、今は相続税に特化しようと、マインドチェンジしました。
――税理士のお仕事のどこが好きですか?また、どんなときに、このお仕事をやっていて良かったと感じますか?
ありきたりですけど、お客様に感謝していただけることですね。相続税申告のお客様は、法人クライアントのように毎月お会いして、何年もかけて信頼関係を築くような関係ではなく、何ヶ月か集中してお会いするだけです。その短期間で信頼関係を築けたなと思えたときは、嬉しいです。あとはやっぱり、悲しいことですが、自分が担当したお客様が亡くなって、その方のご親族から相続税申告のご依頼をいただいたときでしょうか。担当したお客様が亡くなられたのはすごく寂しく、辛いことですが、その方の最後まで自分がお手伝いできたと思うと。そこまで頼っていただけるのは、ありがたいことだと思いますし、しっかり努め切らなければ、という気持ちになります。
――逆に、税理士のお仕事のここが大変とか、ここで苦労しています、など、もしあったら教えてください。
相続税専門ならではの話なのですが、いつ繁忙期が来るか分からないことでしょうか。どのタイミングでどんな案件が入ってくるか、こればっかりは分からないんです。気付いたら大きな仕事がたてこんでいたり、逆に最近案件少ないなーというときもあったり。その辺の調整が少し大変かなと思います。ただ、自分がチームリーダーということもあり、自分の裁量である程度できるようになっているので、最近はがーっと仕事が来ても、チームメンバーと協力して対応できるようにはなってきていますね。
あとは、これもまた相続税専門ならではの話ですが、専業主婦や高齢のお客様が多いので、説明するときにできるだけ分かりやすい言葉をつかうよう、気をつけています。いい意味で、税理士と見られないようにしていると言いますか。どうしても一般的な税理士のイメージは、年配の男性で、カチッとしていて……みたいなお堅いイメージがありますよね、偏見かもしれませんけど。なので私はもうちょっと親しみやすさを感じていただけるように、変な「税理士感」を出さないようにしています。
――日々のお仕事は責任も重くて大変かと思いますが、どんなかたちでリフレッシュされていますか?趣味やハマっているもの、好きなことなどあったら、教えてください。
休日は、ひたすら寝ています(笑)。平日の睡眠負債がたまっているので。インドア派なので、眠っていないときはのんびりとテレビや動画を観たりしています。動画は、猫の動画とかですね。猫好きなので。趣味などは特にないですが、唯一好きなのが、パン屋さんめぐりです。パンが好きだし、パン屋さんの店内に、美味しそうなパンがわーっといっぱい並んでる感じが好きなんです。
――最後に、税理士をこれから志そうという若い人達に、メッセージをお願いします。
そうですね、資格をとるのがゴールではない、ということでしょうか。資格をとった後どうなりたいのか、しっかり考えてから勉強したほうが良いんじゃないかなと思います。資格があれば、人の見る目も違うと思いますし、資格を取ることは決して無駄ではないと思いますが、頑張って勉強した先に何があるのか、まず考えたほうが良いかなと。あとは、できれば早いうちに勉強したほうが良いということでしょうか。私は官報合格にこだわっていましたが、いざ資格をとってみれば、違いはないです。最短で合格できるルートを選ぶのも、全然ありだと思います。